講師インタビュー
通学 単科「出版基礎」、通信 マスターコース「ルポルタージュ」講師
河野 純治先生

  • 原文をよく読み、よく調べ、適切な文体で訳す
    その姿勢を身につけてください

    河野先生

     通学講座の「出版基礎」と通信講座のマスターコース「ルポルタージュ」の2つを担当しています。前者では出版ジャンルを広く浅く扱って出版翻訳の基礎を学び、後者では選抜試験合格者を対象にルポルタージュに絞った翻訳演習を行います。違いは多々ありますが、同じように皆さんに学んでほしいのは、「原文をよく読み込み、よく調べ、内容や対象読者にふさわしい文体で訳す」という1点です。

     翻訳は独学できないこともないですが、自分の欠点に気づきにくい。やはり通学するか通信講座を受けるのが上達の早道だと思います。「他人の目」で客観的に「ここがこういう理由で良くない」と指摘してもらうことは、じつはプロの翻訳家が自分の訳稿を編集者にチェックしてもらうのと同じことなのです。

     通学のメリットは、講師から「なぜそう訳したのか」と聞かれるので、よく考え、根拠を持って訳す習慣がつくこと。通信講座にそういう生の緊張感はありませんが、指導や解説が「形」として残るため、いつでも要点を確認できます。どちらが優れているということではなく、自分に合ったほうを選べばいいと思います。

    河野純治先生
  • 原文読解力と日本語力を多読で磨くことが大事

    河野先生

     翻訳には、外国語で書かれたものを読み解いていく喜び、それを適切な文体の日本語に訳していく面白さがあります。その意味でも、まずは読解力を養うこと。好きなジャンルの本でも読みやすい子供向けの本でもいいので、多読しましょう。辞書ではわからない言葉の感覚がわかるようになります。次に、日本語力を磨く。こちらも多読です。ノンフィクションなら新聞や雑誌など身近にお手本が溢れているので、毎日読む習慣をつければ自然な日本語を書くための土台ができます。

     出版翻訳をやりたいのなら、とにかく本を読んでください。出版業界を盛り上げるため、そして出版翻訳の仕事を増やすためにも、ぜひ新品を買って読みましょう(笑)。まだ目指すジャンルが決まっていないなら、無理に「一点突破」にこだわることはありません。フェローには通学講座と通信講座の双方で多様な講座があり、選択肢が豊富。いろいろ試して適性を見極めてからでも、まったく遅くないと思いますね。

    『通訳翻訳ジャーナル AUTUMN 2016』(イカロス出版発行)より転載
    (Text 金田修宏 Photo 合田昌史)

河野純治先生
プロフィール
河野先生

出版翻訳家。『悪魔の日記を追え FBI捜査官とローゼンベルク日記』(柏書房)、『不屈 盲目の人権活動家 陳光誠の闘い』(白水社)、『中国安全保障全史』(みすず書房)、『イスラエル秘密外交』(新潮文庫)、『ピュリツァー賞 受賞写真 全記録』(日経ナショナルジオグラフィック社)、『ぼくはいかにしてキリスト教徒になったか』(光文社)など訳書多数。

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